でこに地味に絆創膏を張っているのは、ミネルバ副艦長、通称『ヘタレ』なアーサー君である。
先日部屋から突然飛び出てきた狂人に突き飛ばされ、傷を負った模様。
それが、なかなか直らず今に至る。
「・・・年かなぁ」
筋肉痛は後から来るし、傷はなかなか治らない。
おまけにこの頃タリアはレイばっかり使うから、なんだかヤーな感じ。
議長のお気に入りだからって・・・。
「(別に、嫉妬しているわけじゃないんだけどね)」
大人は余裕を持たなくちゃ。だけど、その余裕もバレルの前では微塵でもない気がする。
「・・・あら?御凸、どうかしたの?」
「ああ〜艦長〜」
この頃はタリアに泣きつく。よしよし・・・なんてまるで親子じゃないか。
「そう・・・シンにやられたの・・・」
「まさかあんなところから飛び出てくるなんて思わなかったんですよ!」
しかも何故かその後部屋から出てきたレイに謝られ、余計に虚しくなった。
しかもあの金髪は、一言謝ると直ぐにシンを追いかけ出て行くし。同じ「赤」の頭にアンテナがある彼女は完全に素通りするし。
「・・・気が付かなかったんじゃないの?貴方が居たこと」
「どれだけ影が薄いんですか!?」
まあ、確かに。でもアーサー、貴方はミネルバにて驚いて叫ぶことくらいでしか存在をアピールできてないのよ。
タリアはため息をついた。まったく、妙な面子が集まったものだ。
ルームメイトの追っかけに走る奴、それに気づかない奴、おせっかいな奴、よく喋る奴(?)
「あなたももう少ししっかりしなさい」
「は・・・はい」
怒られた。
「10代の奴等に負けてどうするの!まだケツの青いガキでしょ!」
「け、ケツの青い・・・」
「大人がガミガミ煩いからクソガキからクソが取れるの!わかった?」
わかりません。
「わかりましたぁ!」
本当は意味なんてさっぱり・・・というか何をしろと?
これ以上タリアの裏の裏の裏を見たくないアーサーは、まあ適当に返事をしておいた。
「とはいったものの・・・」
威厳を見せ付けろってこと?そんなことねぇ・・・。
以前議長が来た時はシンは議長とバチバチ火花を散らしていたっけ。勇気があるなぁと思う。自分は左遷が怖くてそんなことできません。
レイはさりげなく自分をなめていると思う。いや、ルナマリアも・・・そんなこといったら皆・・・!
「うわーん!」
アーサーは将来はげると思う。
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アーサーはヘタレだと思う。これって公認じゃないんですか?そうじゃなかったらすいません。
でもアーサー好きですよ。私はヘタレが好きだとか言われてますけど(笑)