前回のあらすじ・・・シン・レイ・議長鉢合わせ。シンレイモードにやっと突入することが出来るかもしれない準備状態に漕ぎ着けました。







『大人しくしている』との条件で、レイと2人きりでの時間をすごすことの出来たシン(日本語がおかしいのはご愛嬌です)
ささやかなひと時でしたが緊張のあまり殆ど喋らなかった。意味がない。
会話中、さりげなく『同室の子にうはうは(略)』等と話をふっては見るものの、レイは自分の気持ちに気づいてくれない!
・・・ここまで来ると、レイは色恋沙汰激しく鈍いのではないかとさえ思う。笑顔で話すギルレイを全世界から消滅させたいとすら思う。というか議長を暗殺したいと思う。実行しないのは度胸の問題だけだと思う・・・。

『同室の子にうh(略)』の翌日。シンは食堂でいつもどおり捕獲したルナマリアに昨日の自慢話をしていた。


「ということで、レイに文句を言わせず部屋に居座ることが出来たぞ!」
「いえ〜い」


もう此処まで来ると、シンレイを応援する気満々なヴィーノが騒ぎ立てる。
その様子をヨウランとルナマリアは横目でじろりと見返した。


「・・・でも手ぇ出せなかったんでしょ・・・」
「う」


ぼそっと呟くルナマリアに、両手を挙げて騒いでいたシンが固まった。
ヨウランは先ほどから周囲を見渡している。ドンちゃん騒ぎが恥ずかしすぎるので此処を離れるか、もしくはやめて欲しいと思っている。


「だって大変なんだぞ!喋らないレイと会話しようとするの!」
「だって昨日会話しなかったんでしょ?アンタさっき大人しく部屋でレイ見てたって言ってたじゃない」
「何かそれ嫌だな!」
「ち・・・違うぞ!一言や二言の会話くらい・・・」


現実、無かった。


「・・・レイは確かに無口で無愛想で・・・表情も無いけど可愛いこともあるってば」
「「「知ってる」」」


誰も否定しなかった。


「さすがミネルバの貴公子・・・」
「なんか貴公子ってだけじゃなくなってるきがするんだけど・・・」


誰もMS乗りとしてみていなかろう。
本人の知らないところで、どんどん話は大きくなる。そこへ、


「なんだか盛り上がってるな(朝から)」
「アスランさん、」


にこにこしながらやってきたのは、イマイチ隊長として示しの付かないアスランである。
だからといって、他のメンバーが彼を嫌っている様子は・・・多分ない。ルナマリアにおいては誰よりも好意的だ・・・というのも、彼はレイよりまだ表情がある、とりあえず『普通の人』であるから。


「彼が居ないみたいだけど・・・」
「レイはいつも居ませんよ」


きっぱり。


「・・・そうなの?」
「レイは時空が違うんです」


意味が分からなかった。


「・・・そうなんだ・・・」
「彼ってなんか特別な印象を受けません?だからなんとなく、ね」


別に仲が悪いわけじゃないですよ。
そうは言うものの、アスランにはそうとしか見れなかったようで、酷く不思議そうな顔をした。


「大丈夫ですって。寧ろシンはレイのこと・・・」
「え、そうなのか?」
うほおおおおお・・・おおお・・・!


シャットアウト!


「へぇ・・・青春かぁ、いいね、いいね」


アスランは嬉しそうだった。


「確かに彼は綺麗だもんなぁ」
「うーん、羨ましいわぁ」
「(そうなんだ・・・)」


ヨウランが冷や汗掻きながらちらりと視線を移す傍ら、シンは『敵が増える!』と息を荒くしていた。
アスランはレイに気があるわけではないのか。シンはそればかり気になる。


「議長はレイが可愛くてしょうがないみたいで。シンは議長を敵視してるんです」
ちょ、ちょちょちょっとルナマリア・・・!


ルナマリアはシンをよそにぺらぺらと喋り捲る。
・・・そうか、レイが『嫌いじゃない』といいながらルナマリア(というか自分達)と距離を置くのはこういうことあってなのかもしれない・・・。シンはさりげなく思った(口に出すと生きていられそうにないので)


「報われないこいだなぁ・・・わかるなぁ」
「わかるって、アスランさんの場合誰なんですか?」


といったところで、アスランはうやむやにしながら食堂を出て行ってしまった。
・・・何か、悪いことを言っただろうか。







「はぁ・・・」


自室に戻って、ベッドの上でため息を付く。
いつの間にかこのベッドは唯一シンのため息を受け止めてくれる存在となっている。(何も文句を言わないから)
部屋に1人で居ることが多いシンは、気が付けばベッドの上で思いにふけっている。
『鬱になるぞ』、と一言言われたこともあった。


「お前は本当にそこが好きだな」


突然入ってきた同居人は『まあ部屋の隅を好むよりいい』なんていいながら何気なくデスクに向かった。


「・・・レイ」
「何?」
「・・・今度一緒に食事しようよ」


シンは枕に顔を埋めて言った。それはもごもご言っていることを誤魔化す効果もあったし、レイの顔を直接見なくていいとか、目のやり場に困らなくていいとか、色々な意味で効果は絶大だった。


「・・・いいけど」
いいんだ!?


がばーと顔をあげたシンの表情はそれはもううきうきだった。


「今まで行きたくないなんていったことは無い」
「え・・・そうなんだけどさぁ、」


何か、誘っていいのかなぁって。
シンは遠慮がちにいうと、レイは『なんだそれ』と呆れたくちで返した。


「なんか近寄りがたいんだよぉ・・・ってそういう意味じゃないからね!なんかさ・・・」
「(どういう意味なんだろう・・・)」
「ほら、レイは俺と違って優等生ってイメージがあるから・・・」
「・・・お前は劣等性なのか?」
「え!?いや・・・それは・・・」


そ、そうかもしれないけど!


「・・・劣等性は嫌いとか?」
「まさか」
「・・・劣等性な俺でいい?」


レイはシンの問いにすこし考えた様子で首をかしげた。どういう意味だろう・・・。
だが、再びデスクに向かって言う。


「シン=劣等性というのがお前のイメージだな」
「!地味に傷つくよ!」


いつもどおりの会話で、実はちょっと安心したシンだった。




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シンは猛アタック中ですが、レイはその信号に気づいてくれない様子です。でもシンは頑張ります。
そろそろギルレイを書かないと・・・。
ヴィーノとヨウランは穴埋めのような漢字で使われててごめんなさい。